twitter、Facebookを凌ぐプラットフォームとなるか?Pinterestの決算書を読んでみた

投資をしたいけど、何を基準に投資をしたら良いか分からないというあなた。

米国株での銘柄選択においては、損益計算表、賃借対照表、キャッシュフロー計算表の見方を習得することが大事です。

Pinterestを例にして、米国企業の損益計算書、賃借対照表、キャッシュフロー計算書を分析してみたので、当記事で紹介します。

Pinterestとは?どんな会社?

pinterestとは画像を検索、共有出来るユーザーサービスを提供している会社です。ユーザーは興味、関心に応じたテーマ別のボードに画像をピン留めする形で飾ります。

先ほどの資料でも説明した通り、月間アクティブユーザー数は3億人と前年同月比の30%増加、米国内は8000万人いると言われています。

pinterestのユーザー数、売り上げ

こちらの資料がピンテレストのアプリを開き、ウェブサイトを訪ねたPinterestのユーザー数、売り上げを示しています。2019年の2Qのデータで見ると、ユーザー数は3億人もいる事がわかります。米国内では8500万人、世界では2億人とどちらも右肩上がりで伸びている事が分かります。

次にこちらの資料がグローバルで見た売り上げ推移を示しています。グローバルでは2Qで2億6100万ドルの売り上げ、アメリカでは2億3800万ドル、アメリカ以外では2400万ドルの売り上げを示しています。

次に下記データを見ると、Pinterestの売り上げの9割はアメリカに頼る構造となっている事が分かります。残り1割はアメリカ国外での売り上げで1割です。アメリカ国外での知名度を上げ、売り上げを増加させて行く事が求められます。

Pinterestの現在の株価

pinterestは2019年4月に上場しました。その後高値で35ドルをつけていますが、現在の株価は25ドルです。綺麗な右肩上がりとは言えませんが、決算次第で上がる可能性もあります。

損益計算表の読み方

こちらは2019年第2四半期の損益計算書です。この損益計算書からPinterestの業績を読み解いていきます。

https://investor.pinterestinc.com/financial-results/sec-filings/default.aspx

業績分析

  • Revenue

売上高は161,192(千万ドル)から261,249(千万ドル)に3年間で右肩上がりに伸びています。

  • Net earnings・・・純利益

Revenueに対して、コスト(Total costs and expenses)の方が高くマイナスのため純利益は出ていません。上場したばかりの会社だと言う事もあり、研究開発費、マーケティングへの投資に力を入れている段階だと言えます。

  • Cash dividends declared per share・・・一株あたりの配当金

配当金は0です。

  • Interest Expense net -of capitalized interest of ・・・支払利息

ウォーレンバフェット氏によれば、永続的競争優位性を持つ企業は支払い利息を全く計上していないという特徴があります。営業利益に占めている支払い利息の比率は永続的競争優位性を判断する材料になります。

航空業界の例で見ると、サウスウエスト航空は9%、倒産の危機に喘いだユナイテッド航空は61%です。営業利益に対する支払い利息の比率を投資する前にチェックする事が大事です。

pinterestはと言うと、営業利益は売り上げ高から一般管理費を引いた37,070(千万ドル)、支払利息は448(千万ドル)なので、おおよそ1.2%ですね。

利息は少ない金額で経営出来ていることがわかります。ただ、前述したように研究開発、およびマーケティングで売上高の6倍も占める額を投資していることから、借入金も増えるので、注視する必要があります。

  • 売上高に対して売上原価が低いかどうか確認する

売り上げ原価・・・cost of revenue

売上高に対して売上原価が低いと粗利益率が高くなるので、売上原価は低ければ低い方が良いと頭に入れておきましょう。売上原価の値は計算すると、105,415(千万ドル)です。

  • 粗利益率が40%以上かどうかを見ておく

粗利益率を一貫して40%以上を維持する場合、永続的競争優位性を持つ場合が多いです。粗利益率は損益計算表から算出する事が出来ます。計算式は以下式で求める事が出来ます。

粗利益=売上高ー売上原価なので、261,249-105,415=155,834です。

導出できる粗利益率は、(261,249-105,415)/261,249*100=59.6%です。pinterestの現在の主な収益源は広告収入なのに、粗利益率が59%とは高いなと言うのが本音です。3Q、4Qの決算を見て、一貫して粗利益率を高く維持できるかどうか見ていきます。

  • 一般管理費は一貫して低いこと

伸びている会社に共通している事は一般管理費(Selling, General administrative expenses)が一貫して低い事です。コカコーラ、P&Gの粗利益に対する一般管理費の割合(SGA比率)は60%程です。

pinterestはと言うと、2018年は224,179/155,834=144%です。2018年に比べて、2019年は144%と販管費が粗利益以上の値となっています。上場したばかりともあって、攻めた経営をしているなーという印象です。

  • 多額の研究開発費を要するか?

多額の研究開発費を要するかと言う点も企業分析には大事ですが、業績を見ていると2019年には研究開発費を収益の4倍の額もかけています。

研究開発でコストをかける必要性があり、さらに収益の4倍ともなるとレバレッジをかけたビジネスをしているとも言えるので注意が必要ですね。

  • 変更の必要性がない製品を一貫して生産し続けているか?

前述した通り、研究開発費が低い企業は変更の必要性がない製品を一貫して生産しているとも取れます。マクドナルドやスターバックス、コカコーラのように変更の必要がない製品を生産し続けており、時代の流れによっても売上が左右されないと言えます。

スタバのラテ、マクドのハンバーガー、コカコーラは変更の必要がありませんよね。変更の必要がない製品を一貫して生産し続ける事は一貫して収益を上げ続けるのに等しいです。

pinterestの場合だとアプリの更新や運用保守、ユーザー数を増やすために研究開発費が必要となるので、費用がかさみがちです。

賃借対照表

pinterestの業績を分析するために、次に賃借対照表について見ていきましょう。こちらは2018年、2019年におけるPinterestの賃借対照表です。

賃借対照表の項目について

賃借対照表は負債の部と資産の部に分かれます。負債は、流動負債、長期負債に分かれます。

  • 流動負債(current liabilities)・・・1年以内に返済期限を迎える債務の事で、買掛金、未払い法人税、短期借入金、長期借入金満期分などが含まれます。
  • 長期負債・・・1年超後に返済期限を迎える債務の事で、取引先に対する買掛金、未払い法人税、銀行借入金、社債などが含まれます。

資産は流動性資産、長期性資産に分かれます。

  • 流動性資産(current assets)・・・現金及び、現金化が一年以内の資産
  • 長期性資産・・・現金及び、現金化が一年超かかる資産

純資産=資産ー負債合計で求める事が出来るので抑えておきましょう。

資産の中にどれだけの現金及び現金同等物が含まれるかが大事

資産の中にどれだけの現金及び、現金同等物(cash and cash equivalents)が含まれるかが大事です。本業の結果として利益剰余金を蓄える事が出来る企業は好業績を引き出している可能性が高いです。

pinterestを見ると、現金及び現金同等物は2019年6月に1200,000(千万ドル)ほど増加しています。20192Q時点では良い傾向です。

棚卸し資産の急激な増減のある企業は注意

棚卸し資産(inventory)とは、将来の売却のために倉庫で蓄えている製品の事を示します。賃借対照表上の棚卸し資産の数字はその日付に置ける在庫品の価値を示しています。

永続的競争優位性を持つ企業では、棚卸し資産と純利益が共に増加する傾向があります。一方でビジネスが上手くいっていない企業は棚卸し資産の値が急増、急減を繰り返します。

pinterestはというと、純利益増加、棚卸し資産は共に増加しています。2017年以前の値も注視する必要がありますね。

総売上高に占める売掛け金の割合が低い企業は競争優位性を持つ可能性が高い

売掛金(Accounts receivable)とは企業が製品を小売業者に売る時に、現金で金額を支払う必要があり、支払いが繰り延べされ、宙ぶらりんになった売上のことを指します。

ピンタレストの売掛け金は202,957(千万ドル)です。総売上高に対して80%ほどの割合です。同業種の企業を比較する際に売掛金の割合が低い企業は役に立ちます。競争が激しい業界では、他社に抜きん出ようとし、有利な条件を提示する会社が現れるからです。

他社に比べて売掛金の割合を比較する必要がありますが、現状では売掛け金の割合が高く競争優位性はないと言えます。

長期借入金が少額、もしくは0であるかどうかを見ておく

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永続的競争優位性を持つ企業は10年間の長期借入金が少額、もしくは0である場合が多いです。優良企業は膨大な利益を上げており、事業拡大、企業買収を自己資金で賄う事が出来るので、長期借入を全く行う必要がありません。

pinterestはというと、長期借入金(long debt)が313,936(千万ドル)と前年に比べて増加しています。良い傾向とは言えません。

自己株式調整済み負債比率が0.80以下の会社を探すと良い

負債比率=負債合計/純資産合計です。自己株式調整済と言うのは、純資産に自己株式の値を加えた場合を言います。

自己株式調整済み負債比率=負債合計/(純資産合計+自己株式)で求める事が出来ます。例えば、コカコーラは0.51、P&Gは0.71です。一方、GMは4.35、フォードは38です。

ピンタレストは自己株式保有額は0(千万ドル)なので自己株式調整済負債比率 = 313,896(千万ドル)/2,387,176((千万ドル)+0(百万ドル))=0.13なので条件は達成です。

キャッシュフロー計算書

最後にキャッシュフロー計算書を見ていきましょう。こちらはpinterestのキャッシュフロー計算書です。

  • investing activities・・・投資活動によるキャッシュフロー

次に投資活動によるキャッシュフローですが、ここで僕が着目しているのが3点。

  1. Short term borrowings and long term financial issurances and payments
  2. Repurchase of common stock(Treasury stock purchases)
  3. Common stock divended

まず、1ですが、短期借入及び、長期借入の事で、借入額が増加しているかどうかを見ています。2ですが、自社株式の購入額を示しています。短期借入額、及び長期借入学は増加しているので、良くないですね。

自社株式の購入実績があるかは企業を見る上で重要です。企業が自社株買いを実施した時、買い取った株には二つの処理方法があります。

株を失効させるか、将来の再発行を睨んで保有し続けるかです。継続して株式が保有される場合、賃借対照表上では、純資産の自己株式の項目に計上されます。

自己株式はマイナスで表記されますが、プラスに変えて、純資産に足して株主資本利益率を求めるようにしましょう。収益性が高い企業の場合、自社株買いに使える自由なキャッシュが豊富にある事が多く、永続的競争優位性の有無の判断材料に使えます。

企業が自社株買いを行って、自社株を保有し続けると、株式発行総数が減るため、ROEが向上します。Pinterestを見る限り、毎年自社株買いを行っています。2018年度は7000(百万ドル)もの自社株買いを行いました。

2018年度は業績が良く、自己株式購入に資金を回すことが出来たのではないかと推測します。

まとめ

決算を確認し、私はピンタレストへの投資は現状では見送ろうと思っています。

理由

  • 第2Qの決算では研究開発費、固定費を売上高の6倍もかけており、サービスの刷新に費用がかかる。事業を軌道に載せるためには多額の投資が必要

  • 長期借入金が2018年に比べて増加傾向にあり、借入金に頼るビジネス構造

  • 粗利益率は良いが、販管費が144%と粗利益を大幅に超えており、リスクを取った経営を行っている

  • 米国外でのユーザー数、売り上げが伸びる構造にすれば、より利益を出す事が出来るので、今後の決算内容を注視した上で投資するかどうか決める。

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